発酵が産んだ天然の栄養ドリンク
お正月や寒い季節にフーフーと言いながらすする甘酒は、あたたかさと甘さがからだにしみこむ、冬のお楽しみ。
冬の飲み物として定着していますが、江戸時代は夏バテ防止の栄養ドリンクとして夏場に飲まれ、俳句では夏の季語として扱われています。
医療がそれほど発達していなかった昔、夏バテで命を落とす人も多く、甘酒はすぐれた栄養補給ができる食品として頼りにされていたのです。
甘酒にはブドウ糖、アミノ酸、ビタミンB類など、病院で栄養補給に使われる点滴とほぼ同じ成分が含まれていることから、現代では「飲む点滴」と称されています。
速やかなエネルギー補給ができる甘酒
甘酒の特徴は、その消化吸収の早さにあります。比較をすると、お米を炊いたご飯よりも甘酒のほうが体内に素早くエネルギーが取り込まれます。それにはどんな理由があるのでしょうか?
甘酒はご飯に米麹を入れ、糖化させてつくられます。
米に含まれるでんぷんは麹菌の力で吸収されやすい糖に変化します。さらに麹菌は、たんぱく質をアミノ酸に分解。
吸収されやすく形を変えたこれらの他に、エネルギー代謝に必要なビタミン群などさまざまな栄養素がそろっているため、効果的にエネルギー変換が行われ、スピーディに体内に活力を与えることができるのです。
運動の後や、仕事で疲れたときには栄養ドリンクの代わりに甘酒を試してみてください。
「飲む美容液」? 女性にうれしい甘酒の美肌効果
酒という名がついていますが、甘酒にアルコールはほとんど含まれません。酒粕を溶いて加糖したものを「甘酒」とする場合もありますが、本来は米麹と米だけで発酵させたノンアルコールの飲み物です。
米麹に含まれるコウジ酸には、しみやそばかすの原因になるメラノサイトの過剰な生成を抑える働きがあります。麹を扱う人の手にはシミひとつないとよく聞きますが、これは毎日の営みの中でコウジ酸が働いたことによるものなのでしょう。
残念ながら即効性は期待できませんが、習慣的に飲むことでシミのできにくい肌を目指したいものです。
甘酒に含まれるオリゴ糖や食物繊維は腸内環境を整える働きがあり、便秘の解消や免疫力アップが期待できます。
また、麹菌が生みだしたビタミンB群は皮膚の代謝には欠かせない成分。
肌荒れ予防にもぜひ甘酒を活用してみては?
シュガーレスとは思えない天然の濃厚な甘味
米と米麹によって仕込まれる甘酒は、米麹のパワフルな働きによって、ほんの数時間の間に濃厚な甘味が生まれます。
甘味が強いイメージから「太りやすいのでは?」と心配になりますが、そうではありません。
体内で余剰になると蓄積されやすい砂糖などとは異なり、米麹が作り出したビタミンB類がしっかりと糖分をエネルギーに転換して、余剰分をからだに残しません。
さらにこのビタミンB群はもともと体内にあった糖質までもエネルギーに転換してくれるという頼もしさ。
量の摂りすぎは禁物ですが、食べても太りにくい甘味であると言えます。 代謝力が強い甘酒は、ダイエットの強い味方になってくれそうですね。
日本から世界に広がる「ジャパニーズ・ヨーグルト」
お米と米麹だけでつくられる甘酒は、安心で安全な日本独自の発酵甘味料。
数時間でできるので、手作りするのもおすすめです。
甘酒の甘味はそのままストレートで味わう以外にも、みりんや砂糖のかわりに料理にも使えます。
お米由来の滋養に満ちた味わいは、子どもから老人まで、あらゆる人に飲みやすく、疲れたからだをやさしく癒やしてくれます。
最近では海外でも「ジャパニーズ・ヨーグルト」として注目を集めている甘酒。
手軽な健康ドリンクとして、オールシーズン楽しみましょう。
※記載内容は特定の商品または発酵食品についての効果効能を保証するものではありません。