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簡単お味噌汁完全マニュアル! 日本古来の最強発酵食を味方につけよう

真野遥(発酵料理家)

お味噌汁

料理家であり「発酵室 よはく」主宰でもある真野 遥さんの記事をお届けします。

テーマはずばり「簡単お味噌汁」。お味噌汁は簡単かつ栄養たっぷり、飲まないテはない!というのが真野さん(と編集部)の主張です。日々の暮らしが楽しくなるお味噌汁術、ぜひご覧ください。

料理家・発酵室 よはく主宰 真野遥

真野遥(料理家・発酵室 よはく主宰)

新卒で素材系商社に就職するが、「一番身近なものづくりは料理である」という思いに至り、食の道へ。現在は、日本酒に合う料理の提案を中心に、レシピ開発や執筆など幅広く活動している。新宿御苑前で、日本酒と発酵食料理のペアリングが学べる料理教室を主宰。年間500名以上に、ペアリングを通じて日本酒の美味しさや料理の楽しさ、伝統的な発酵調味料の魅力などを伝えている。全国の酒蔵、味噌蔵、醤油蔵などの醸造所を訪ね歩き、これまで訪問した酒蔵は60件以上。素材の美味しさを活かした、シンプルで彩り豊かな料理の提案が得意。『スッキリ』(日本テレビ)や『グッド!モーニング』(テレビ朝日)など、テレビ出演も多数。

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日本には個性豊かな発酵食品がありますが、中でも「味噌」は、私たちの暮らしに欠かせない、とても身近な発酵食品です。

味噌料理の筆頭と言えば「お味噌汁」。お味噌汁は日本人のソウルフードですよね。しかし、食文化の多様化にともない、お味噌汁を食べる人はどんどん減っているそうです。

一方私はと言えば、ほとんど毎日欠かさずにお味噌汁を食べており、これほど手軽で美味しくて体に優しい料理はほかに無いのではないか……!とさえ思っているのですが、「面倒くさい」や「作る時間が無い」などと感じてしまう方も多いようです。

私としては、忙しい人や面倒くさがりの人こそ、お味噌汁を毎日の食事に取り入れていただきたいなと考えています。上手に取り入れれば、むしろ忙しい生活の味方になってくれます!

今回は、特に「お味噌汁を毎日食べたいけど続かない」という方に向けて、簡単に美味しいお味噌汁を作る方法やコツ、お味噌汁を食べるメリットについて、たっぷりご紹介いたします!

自分にとって“ニュートラルなお味噌汁”を見つけよう

お味噌汁はシンプルだからこそ、作り方も無限にあり、それが面白さでもあると同時に、「難しい……」「どうやって作れば良いかわからない……」などの悩みにもつながるかもしれません。

そこで、まずはお味噌汁の構成要素を整理してみましょう。

お味噌汁は、主に「出汁」「具材」「味噌」の3つの要素で構成されています。そして、最初の難関になるのは「出汁」かと思います。

お味噌汁の構成要素(1)出汁

出汁

出汁はお味噌汁の味のベースになるため、とても重要な存在であり、また、出汁のうま味があると少ない塩分でも満足感が得られるため、減塩にもつながります。

お味噌汁の出汁は地域や家庭によって異なりますが、昆布、鰹節、煮干しなどがメジャーです。

とは言え、きちんと出汁を取って作るお味噌汁は格別なものの、毎日となるとなかなか大変ですよね。

そこで私がおすすめしたいのは、出汁パックです。

出汁パック

最近では化学調味料無添加の出汁パックも多く販売されており、水で軽く煮出すだけで美味しいお出汁が取れます。毎日のお味噌汁には、出汁パックがちょうど良いのではないかと思います。

お味噌汁の構成要素(2)味噌

味噌は、ご家庭にあるものをお使いください。

東海地方の赤味噌や京都の白味噌などは味や塩分量が特殊のためレシピが変わってきますが、一般的な淡色の米味噌や麦味噌、合わせ味噌などでしたら、1人前大さじ1弱が基本になります(出汁200mlに対して)。

味噌

お味噌汁の構成要素(3)具材

最後に具材ですが、何か特別なお味噌汁が作りたい場合でなければ、基本的に家にある食材でOKです。

お味噌汁の具材といえば、豆腐やワカメ、長ねぎなどが主流ですが、変わったところではトマト、鯖缶、ミックスビーンズなど、どんな具材でも受け止めてくれます。

その理由は、出汁の旨味と味噌の発酵由来の複雑な酸味・旨味などのバランスの良い味と香りが大きいのではないかと思います。

私にとってお味噌汁は「上手に材料を使い切る料理」としての役割も担っており、中途半端に持て余している食材の消費に最適だと考えています。お味噌汁を食べる習慣があると、使いきれずに食材を捨ててしまうことが減るはずです!

作業時間は約3分!毎日無理なく続けられるお味噌汁の作り方

それでは、我が家で毎日作っているお味噌汁の「基本の作り方」をご紹介いたします。

基本的に、作業時間自体はおよそ3分程度。煮ている間にほかの料理をしたり、ご飯を盛ったり、同時並行で作業を進めれば、あっという間に食事が完成します!

【基本のお味噌汁の作り方】(2食分)

  1. ①まず、お鍋に水と出汁パックを入れて火にかけます。

    2人分の場合は、水400mlに対して出汁パック1個です。

    ひとり暮らしの方も、せっかくなので2食分作っておくと良いでしょう。
    基本のお味噌汁
  2. ②鍋を火にかけている間に、具材を切ります。

    今回は、実際に私の冷蔵庫にあったあまりもの食材(白菜、しいたけ、油揚げ)を使いました。

    丁寧に作るのであれば白菜の軸と葉を分けますが、お味噌汁はそのあたりはあまり気にしなくて大丈夫です。葉っぱがとろとろに柔らかくなっても、それはそれで美味しい!
    基本のお味噌汁
  3. ③具材を切り終わったら、まだ鍋が煮立っていなくても良いので、鍋に入れてしまいます。
  4. ④出汁パックは、煮立ってから2〜3分ほどしたら取り出します。この辺りはアバウトで大丈夫です。
    基本のお味噌汁
  5. ⑤具材をさらにもう一品。小松菜です。

    先に鍋に入れた白菜、しいたけ、油揚げは、ある程度煮たほうが味が出るので、先に煮ておきます。その間に、煮込まない方が良い・火が通りやすい小松菜を準備する、というわけです。小松菜やチンゲン菜のような青菜は、最後にさっと煮るだけで大丈夫なので、仕上げの直前に切ればOKです。
    基本のお味噌汁
    最初に入れた具材が煮えたら小松菜を入れます。
    基本のお味噌汁
  6. ⑥30秒ほど煮たら火を止め、味噌(大さじ1と1/2)を加えます。

    味噌が汁に浸かった状態でそのまま置いておき、その間にご飯やおかずを盛りましょう。
    基本のお味噌汁
  7. ⑦お味噌汁を盛る頃には味噌がふやけて柔らかくなっているので、さっと混ぜれば味噌が溶かせます。冷めていたら、適宜温めましょう。
    基本のお味噌汁
  8. ⑧あっという間に具沢山のお味噌汁が完成です!
    基本のお味噌汁

白菜の甘味、しいたけの旨味、油揚げのコクの三重奏。

具材はあるものでOKですが、「野菜」「きのこ」「油揚げ」の3種類があると、間違いなくおいしいお味噌汁になります。特に、油揚げはお味噌汁作りの優等生。常備しておくと、どんな食材でもお味噌汁を美味しくしてくれると思います。

油揚げの油抜きは、お味噌汁の場合は特に不要です。油がお味噌汁のコクになってくれますよ。

今回のレシピはあくまで私の作り方ですので、皆さんにとって作りやすい、「ニュートラルなお味噌汁」を見つけてくださいね!

サラダ不要?味噌汁は古来からの健康食!の理由

味噌汁は古来からの健康食

「ニュートラルなお味噌汁」ができたところで、少しお味噌汁の由来やメリットについてのおさらいから(もう知ってるよ!という方は下の方のレシピへどうぞ)。

戦国時代の武士を支えてきた味噌

味噌汁の発祥については諸説ありますが、鎌倉時代の武家の食生活が源流であるという説が有力です。

鎌倉時代の武家では、麦飯に味噌汁をかける「汁かけ飯」が食べられていたそう。そして、体力を消耗する武士は、貴重な栄養源として味噌をたずさえ、陣中食として味噌汁を食していたとされています。

味噌には必須アミノ酸が全て含まれており、発酵により栄養素が吸収されやすい状態になっています。さらに適度に塩分を含むため、合戦や訓練で汗を流す武士の食事としてピッタリだったのです。

その後、庶民にもじわじわと浸透し始め、江戸時代には全国各地で地域性のある味噌が造られ、味噌汁文化が家庭に定着していたと考えられています。きっと昔の人は、その簡単さや「実用性」、また栄養面のメリットなども経験的に知っていたんですね。

味噌・お味噌汁は不老長寿の薬

改めて、そのメリットを見てみます。

「味噌汁は不老長寿の薬」「味噌は朝の毒消し」などのことわざがあるように、味噌汁は健康面でも多くのメリットがあります。

まず、お味噌汁にすると、野菜がたくさん食べられます。

お味噌汁は野菜や豆腐、きのこ、海藻など、どんな具材でも美味しくしてくれる上、加熱することでかさが減るため、サラダを食べるよりも多くの野菜を摂取することができます。

そして、味噌自体にアミノ酸や食物繊維、イソフラボン、ビタミン、ミネラルなど、豊富な栄養素が含まれています。

また、味噌は発酵過程で麹菌、乳酸菌、酵母など複数の微生物が働いており、大豆の栄養素が分解されているため吸収しやすい状態になっています。さらに、それらの微生物が分解した栄養素が豊富に含まれている上、微生物の菌体が腸内環境にとって良い働きをしてくれます。

これらの理由により、お味噌汁には、生活習慣病のリスク軽減や、美肌効果、リラックス効果、高血圧予防など、たくさんのうれしいメリットがあります。

できるだけ食物繊維の多い野菜やきのこ、豆腐や卵のタンパク質も上手に取り入れて、栄養バランスの良いお味噌汁を食べましょう!

なお、お味噌汁1杯の塩分量は1.8g程度とそこまで多くないのですが、塩分が気になる方は、カリウムの多い食材(海藻類、切り干し大根、トマト、かぼちゃなど)を取り入れると良いでしょう。

目的別!お味噌汁の作り方

先ほどのお味噌汁の基本の作り方をベースに、目的別に便利なお味噌汁アイデアをご紹介いたします!

包丁いらずの簡単味噌汁

包丁、まな板を使うのが面倒くさい……という方におすすめなのが、なめこと豆腐のお味噌汁。

どちらもすぐに火が通る食材なので、5分もあれば作れますよ!

包丁いらずの簡単味噌汁

【作り方】(2人分)

  1. 鍋に出汁パック(1袋)と水(400ml)を入れて火にかけ、煮立ったらなめこ(1袋)と豆腐(1/4丁)を入れます。木綿豆腐の場合は手でちぎり、絹ごし豆腐の場合はスプーンで落とし入れましょう。
    なめこのお味噌汁
    1〜2分ほど煮たら火を止め、味噌(大さじ1と1/2)を溶いたら完成です。

    ツルンとしたなめこと豆腐の食感が心地よく、食欲のない時でもペロリと食べられますよ。

ストック食材で作るご馳走味噌汁

家に食材がほとんどなく、買い物に行く気力も無い時は、ストックしがちな玉ねぎと卵を使った「かきたま味噌汁」はいかがでしょうか??

玉ねぎの甘味とふわふわの卵は相性抜群! 少ない食材で作れるご馳走味噌汁です。

ストック食材のお味噌汁

【作り方】(2人分)

  1. 鍋に出汁パック(1袋)と水(400ml)を入れて火にかけ、加熱している間に玉ねぎ(1/2個)を薄切りにします。鍋に玉ねぎを加え、3〜4分ほど煮たら出汁パックを取り出します。

    ぐつぐつ煮立っているところに溶き卵(1個分)を回し入れ、お玉で軽く混ぜます。
    ストック食材のお味噌汁
    味噌(大さじ1と1/2)を溶いたら完成です。
  2. ストック食材のお味噌汁
    時間があれば、玉ねぎはフタをして10分ほど煮ると、さらに甘味が増して美味しいですよ!(その場合は、出汁パックは途中で取り出してください!)

ひと手間が美味しい!焼き野菜の味噌汁

たまにはひと手間かけて、いつもと違ったおいしいお味噌汁を食べるのも良いですよね。

そんな時におすすめなのが、焼き野菜のお味噌汁です!
こんがり焼いたジューシーな野菜にジュワッとお出汁が染みたおいしさがたまりません。

焼き野菜の味噌汁

【作り方】(2人分)

  1. なす(1本)は1cm幅の輪切りにし、ピーマン(1個)は縦半分に切ります。厚揚げ(1/4枚)は食べやすい大きさに切ります。

    フライパンに油(大さじ1)を敷いて熱し、なす、ピーマン、厚揚げを中火で両面こんがりと焼きます。
    焼き野菜の味噌汁
    焼き野菜の味噌汁
    焼いている間に、鍋に出汁パック(1袋)と水(400ml)を入れて火にかけておきましょう。

    具材がこんがり焼けたら、鍋に移します。2〜3分煮たら出汁パックを取り出し、味噌(大さじ1と1/2)を溶かし入れましょう。
  2. 焼き野菜の味噌汁
    厚揚げは、入れても入れなくてもOK。もちろん油揚げでもおいしいですよ!

野菜は、なす、ズッキーニ、ピーマンなど、夏野菜が特におすすめです。ここにみょうがをトッピングしたら、夏のお味噌汁として最高ですね。

いつもの簡単味噌汁とは一味違う「ハレ」の味噌汁、いかがでしょうか??

持ち運べるインスタント味噌汁「味噌玉」

ひとり暮らしの方や、外出時でもお味噌汁を食べたい方には、作り置きの「味噌玉」がおすすめです。

今でこそちょっぴりブームになっている味噌玉ですが、実は戦国時代の武士や江戸時代の庶民も味噌玉を活用していたそうです。

味噌玉

【作り方】(4食分)

  1. ボウルに味噌(60g)、かつお節(4g)、乾燥わかめ(5g)、刻みねぎ(20g)を入れてよく混ぜます
    味噌玉
    具材はお好みでOK。刻んだ油揚げ、あおさ、乾燥野菜、乾燥麩、梅干し、しらす干しなど、乾物や水分が少ない食材を選んでください。生野菜は、みょうがや青ねぎなどの薬味程度にしましょう。

    これを4等分し、それぞれラップに包みます。

    味噌玉は冷蔵で1週間ほど、冷凍で1ヶ月ほど保存できますよ。
  2. 味噌玉
    食べる際は、器に味噌玉を入れ、お湯(170ml程度)を注いでください。
  3. 味噌玉
    味噌玉
    週末に作り置きしておけば、平日の忙しい時にサッとお味噌汁が食べられてとても便利。食べきれなかったら冷凍庫へ移しましょう!

お味噌汁こそ、忙しい現代人の味方です

お味噌汁は意外と簡単なうえに、アレンジの可能性は無限大ですよね。

・冬場は酒粕を入れてみたり、
・ごま油やオリーブオイルを垂らして風味を加えてみたり、
・柚子やすだちなどの柑橘を絞ってみたり、
・唐辛子や山椒を振ってみたり、
・豆板醤で辛味を入れてみたり、

などなど……、楽しみながら、色々なお味噌汁に挑戦してみてください!

工夫を重ねながら自分にちょうどいいお味噌汁のスタイルを見つければ、これからはお味噌汁が「面倒くさい存在」ではなく、「忙しい毎日を支えてくれる頼もしい仲間」になるはず。

何よりも、お味噌汁って食べ飽きないし、一杯でもお味噌汁を飲むとホッとした気持ちになるんですよね……。

ゆっくり料理をする時間が取れなくても、お味噌汁さえ飲んでおけば、とりあえず大丈夫。そんな頼もしい人生のパートナーとして、お味噌汁を日々の暮らしに取り入れていただけましたら幸いです。

参考文献
  • 『みその教科書』岩木みさき著 | エクスナレッジ
  • 『醤油・味噌・酢はすごい:三大発酵調味料と日本人』小泉武夫著 | 中公新書
  • 『和食とうま味のミステリー:国産麹菌オリゼがつむぐ千年の物語』北本勝ひこ著 | 河出ブックス

料理家 真野遥さんの腸活レシピ

真野さんのレシピは下記記事でもご紹介しています。
発酵食品を使い、食物繊維たっぷりのレシピは腸活にピッタリ。ぜひご覧ください。

料理家 真野遥さんに教わる腸活レシピ「柿と根菜チップスのヨーグルトみそサラダ」

料理家 真野遥さんに教わる腸活レシピ「鮭とキノコの酒粕豆乳クリーム煮」

料理家 真野遥さんに教わる腸活レシピ「ネギ塩麹レモン炒め」

料理家 真野遥さんに教わる腸活レシピ「発酵あんこ」

※記載内容は、筆者の個人的な見解であり、特定の商品または発酵食品についての効果効能を保証するものではありません。

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