発酵あんこ 素材の甘さを生かしたヘルシースイーツ料理家 真野遥さん腸活レシピ
真野遥(発酵料理家)
料理家・真野遥さんのレシピをお届けします。今回の一品は「発酵あんこ」。
発酵食品の通のみなさんは、すでにお聞き及びだと思います。砂糖をまったく使わないか、使っても少量で、小豆の甘さを発酵によって引き出すのが、「発酵あんこ」です。おうち時間に、ゆっくりゆったり、楽しんでみてはいかがでしょうか。
真野遥(料理家・発酵室 よはく主宰)
新卒で素材系商社に就職するが、「一番身近なものづくりは料理である」という思いに至り、食の道へ。現在は、日本酒に合う料理の提案を中心に、レシピ開発や執筆など幅広く活動している。新宿御苑前で、日本酒と発酵食料理のペアリングが学べる料理教室を主宰。年間500名以上に、ペアリングを通じて日本酒の美味しさや料理の楽しさ、伝統的な発酵調味料の魅力などを伝えている。全国の酒蔵、味噌蔵、醤油蔵などの醸造所を訪ね歩き、これまで訪問した酒蔵は60件以上。素材の美味しさを活かした、シンプルで彩り豊かな料理の提案が得意。『スッキリ』(日本テレビ)や『グッド!モーニング』(テレビ朝日)など、テレビ出演も多数。
基本の発酵あんこレシピ
材料(作りやすい分量)
- 小豆 150g
- 米麹(乾燥) 130g ※生麹の場合は150g
- きび砂糖 大さじ1
- 水 適量
- 塩 少々
【作り方】
- ①小豆を水洗いして鍋に入れ、たっぷりの水を加えて火にかける。沸騰したら蓋をして弱火で10分茹で、火を止めて30分蒸らす。ザルにあげて、渋を切る。
- ② ①を鍋に戻し、かぶるくらいの水を加えて火にかける。沸騰したら蓋をせずに弱火で30分ほどコトコト煮る。アクが出たら適宜お玉で取る。常に小豆が湯に浸かっているよう、数回に分けて水を足す。
- ③小豆が指で簡単に潰れるくらいの柔らかさになったらきび砂糖を加え、木べらで混ぜながら煮詰める。おはぎが作れるくらいの硬さになったら火からおろす。
- ④ ③を炊飯釜に移し、100mlの水を加える。米麹を全量加え、小豆とよく混ぜ合わせる。表面を平らにならし、ラップを密着させて空気を抜く。
- ⑤厚めの濡れ布巾を釜にかぶせ、蓋が半開きになるようにテープを貼り、8時間保温する。(保温することで麹の酵素によりデンプンの分解が進み、甘味が出ます。形状も柔らかくなります。)
味を見て、甘さが足りないと感じたら、さらに1〜2時間ほど保温する。塩少々を加えて味を調える。
(ヨーグルトメーカーの場合は60℃で8〜10時間)
【保存期間】
冷蔵庫で1週間程度
※嫌な香りや粘りが出てきたら腐敗のサインです。
※冷凍すれば1ヶ月ほど保存できます。
【作り方のポイント】
- 前提として、「発酵あんこ」とは、麹の酵素を利用して甘味を引き出したあんこで、言わば”硬めに作った小豆の甘酒”のようなもの。発酵の原理は麹甘酒と基本的に同じで、麹に含まれる「アミラーゼ」という糖化酵素が米や小豆のデンプンをブドウ糖に分解し、甘くなります。
発酵あんこは砂糖不使用でも作れますが、砂糖の特性を活かして適度にツヤと粘りを出すために、今回はごく少量の砂糖を加えています。 - 発酵あんこ作りは、水分量が肝腎要。水分が少なすぎると充分に酵素がまわらず甘味が出ませんが、多すぎるとベチャッとしてしまいます。適度な水分量を目指すのがベストですが、しいて言うならば、水分が多過ぎるよりは少ない方がリカバリーが効きます。「水分が少なかったな」と感じたら、水を足して調整しましょう。
発酵あんこの食べ方
基本的に、普通のあんこ同様に食べられます。お餅に乗せたり、お団子にしたり、ぜんざいにしたり、バターとともにトーストに乗せたり、おはぎにしたりなど。
ただし、普通のあんこよりは甘さが控えめなので、お好みでお砂糖を足してください。
また、酵素を含むため、例えばパウンドケーキなど焼き菓子を作る際は、小麦粉のデンプンが分解されて食味が変わる可能性があります。焼き菓子に入れる際は、速やかに焼くようにしてください。(粉類と混ぜて長時間置いておくと分解が進んでしまうため)
ここでは、発酵あんこのアレンジレシピをご紹介します。
簡単に作れますので、ぜひお試しください。
発酵あんこの苺ミルク寒天
材料(4人分・15×9×5cmの容器1個分)
- 発酵あんこ 150g
- 苺 6個程度
- 粉寒天 4g
- 水 150ml
- 牛乳 400ml
- 砂糖 30g
- 練乳 大さじ1と1/2
【作り方】
- ①牛乳は耐熱容器に入れてラップをかけ、600Wの電子レンジで2分温める(もしくは小鍋などで40℃程度まで温める)。
- ②鍋に水と寒天を入れ、中火で加熱する。沸騰したら、混ぜながら1〜2分ほど煮立たせる。砂糖を加えて溶けたら火を止め、①の牛乳を加え、練乳、発酵あんこを加えてよく混ぜる。
- ③苺は縦半分に切り、断面が下に来るように容器に敷き詰める。②が人肌程度まで冷めたら容器に注ぐ。完全に冷めたら冷蔵庫で1時間ほど冷やし固める。
- ④ゴムベラなどで4辺に隙間を作ってひっくり返して取り出し、食べやすい大きさに切って器に盛る。
朝ドラの影響?もあってか、にわかにマイ・あんこブームが来ている編集部Y。まさにタイミングばっちりのレシピを紹介いただきました。ポリフェノールや鉄分など、栄養価が高く食物繊維も多いあんこ。さらにお砂糖少なめでヘルシーときたら、試さないわけにはいきませんね。
ポイントは「水分量」とのことで、その点に気を配りながらお試しいただければと思います。
料理家 真野遥さんの腸活レシピ
真野さんのレシピは下記記事でもご紹介しています。
発酵食品を使い、食物繊維たっぷりのレシピは腸活にピッタリ。ぜひご覧ください。
料理家 真野遥さんに教わる腸活レシピ「柿と根菜チップスのヨーグルトみそサラダ」
料理家 真野遥さんに教わる腸活レシピ「鮭とキノコの酒粕豆乳クリーム煮」
※記載内容は、筆者の個人的な見解であり、特定の商品または発酵食品についての効果効能を保証するものではありません。