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生麹とは? 乾燥麹・糀・こうじとは違うもの? しっかり知ってしっかり活用 麹菌の力

乾燥麹

甘酒や塩麹、醤油麹などを作ろうと思ったときに目にする「生麹」という言葉。店頭や通販のページでは、「乾燥麹」「糀」「こうじ」……といった商品名も存在しています。

これらは別のものなのでしょうか? だとしたら、どう使い分ければいいのでしょうか? そんな疑問を、一挙に解決します!

生麹とは? 「麹」関係の言葉をすっきり整理

結論から言えば、「生麹」も「麹」であることは間違いありません。

「生麹」と対になるもので、「乾燥麹」も存在します。これと比較するとわかりやすいでしょう。

・乾燥麹とは、乾燥させて扱いやすくした麹。
・生麹とは、乾燥させていない麹。

スーパーの店頭で見かけやすいのは、どちらかと言えば乾燥麹です。比較的長い期間、常温保存が可能です。

一方生麹は、常温保存は難しく、しかしその分、麹の発酵パワー(専門的には「力価」と言います)が強いのが一般的な特徴です。

つまり、基本的な麹を仕込んだ後、どう製品にしたか、という差ですね。

通常、製品名、もしくはパッケージの原材料などが書いてあるラベルの部分に「米麹(乾燥麹)」などと明記してあるので、見分けやすいはずです。

この、生&乾燥が、麹の最も基本的な分類です。そのほか、同じく「こうじ」という読みで、「糀」の漢字をあてたものもあります。これは大豆や麦ではなく特にお米で造った麹を指す言葉で、「麹」と同じものと思っていただいて大丈夫です。

さらに、「板麹」「バラ麹」という言葉もあります。お米が固まって板のようになっているのが板麹、お米の粒がバラバラとして固まっていないのがバラ麹。わかりやすいですね。これらは主に製法の違いがかたちになって表れたものです。厳密には細かな使い分けはあると思いますが、同じ「麹」だと考えて問題ありません。麹屋さんのこだわりが、こうしたバリエーションを生んでいます。

そもそも麹とは? 仕組みを知るともっと楽しい発酵食

麹とは、お米に麹菌を合わせ繁殖させたものです。

麹菌は、自らが持つ「酵素」で、炭水化物を糖類に、タンパク質をアミノ酸に変えていきます。結果として、お米や、そのほかの合わせる食材の味を変化させたり、人体に吸収されやすくしてくれたり、というわけです。

ちなみに、麹菌が持つ「酵素」とは、専門の「酵素学」という学問の分野があるほど奥が深いものです。人間はもちろん、生き物の体では、無数の酵素が働いています。あらゆる生命活動の土台になっているもの、と言うことができます。

一般のご家庭では、この麹をもとに塩麹や醤油麹、甘酒、また自家製の味噌などが作られています。一方醸造メーカーでは、醤油や味噌、また日本酒などのもとにもなります。

最も一般的なのはお米の麹ですが、麦・大麦や大豆の麹もあります。米麹は味噌、日本酒、甘酒などになります。麦麹と豆麹(大豆麹)は、醤油、味噌が代表的な食品でしょうか。

生麹の使い方

生麹と言っても、特に変わった使い方があるわけではありません。

ただ、レシピによっては、扱いやすい乾燥麹ではなく、生麹を指定していることもあります。作りたいものに合わせて選ぶようにしましょう。

ご家庭で生麹を使う際に、最もポピュラーなのは、甘酒でしょうか。

飲む点滴、などとも呼ばれるほど栄養豊富で、温めても冷やしても、また何かと割って飲んでもおいしい……とうれしいことずくめの伝統飲料ですね。

発酵日和にも登場していただいている、東京農業大学の前橋健二教授は、甘酒を砂糖の代わりにすることをお勧めしています。

『砂糖の代わりに糀甘酒を使うという提案』前橋健二 あまこようこ著 アスコム

砂糖と比べ、甘酒の栄養は「約60倍」ということで、編集部員ももちろん実践中です。その栄養成分の特徴はもちろん、甘酒を使ったお料理のレシピもたくさん掲載されています。

また、発酵日和でも、甘酒を特集しています。

米麹とは? 日本の食文化を支える麹菌が生み出す「発酵の素」

甘酒

そのほか、塩麹、醤油麹も簡単に作れて、発酵食品の栄養を取り入れることができる優れものです。

醤油麹とは? その味、作り方、使い方&健康効果をカンタンまとめ

米麹とは? 日本の食文化を支える麹菌が生み出す「発酵の素」

麹を使った漬物としては、「三五八漬け」も有名です。糠(ぬか)を使わず、塩と蒸し米、そして麹だけで漬ける東北地方の伝統食品です。糠漬けと比べクセが少ないのが特徴で、肉や魚を漬けても食べやすいと思います。

そのほか、麹がベースになった食材を使ったレシピは、本当にバラエティ豊かです。塩麹や醤油麹はただ少し加えるだけでお料理がおいしくなりますが、さらに一工夫したくなったら、みなさんのレシピをどうぞ。発酵日和でも、料理研究家・荒木慶子さんのレシピを公開中です。

発酵日和 レシピ特集

生麹あれこれ ブランド米・古代米・有機農法……

麹とひと言で言っても、さすが日本の伝統文化、バラエティは本当に豊かです。

コシヒカリのようなブランド米を使った麹もあります。また、有機農法・農薬不使用・国産など、お米の作り方も、各醸造家さんたちがこだわっています。農家さんたちと手を組むのはもちろん、醸造家さんが自ら農業をしたり……、まさにこだわりが詰まっています。

さらに、赤米・黒米・古代米を使ったものも多くなりました。玄米の状態で麹にしたものもありますね。白米の麹より、さらに栄養成分が豊かになりやすいのが特徴です。

そのほか、天然の麹菌を使ったもの、少し砕いた状態にして早く発酵させられるように仕込んだもの、甘みが出やすいようにし甘酒造りに特化したもの……などなど、日本各地の醸造家がアイデアと工夫を競っています。お好みの麹を見つけるのも楽しいですね。

ちなみに、麹は畑やガーデニングの肥料として使われることもあります(正確には、肥料の材料として)。

土、堆肥の中では、さまざまな微生物が働いています。特に化学肥料を使わない自然農法では、この微生物の力が重要です。微生物にさらに働いてもらうために、麹をスターターにする、というイメージです。食べ物そのものだけでなく、その生産にまで力を発揮する麹は、まさに日本の食文化を支える存在、という感じですね!

※記載内容は、取材対象者及び筆者の個人的な見解であり、特定の商品または発酵食品についての効果・効用を保証するものではありません。

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