バランスの良い食事に欠かせないのが野菜。さまざまな料理に用いられますし、サラダで生野菜を取る方も多いことでしょう。
コンビニエンスストアでもさまざまな種類のサラダが売られていますし、デパ地下でもサラダは人気の総菜です。でも、野菜は発酵させるともっと栄養が豊かになるのです。
そんな発酵野菜の魅力について、お伝えしていくことにしましょう。
発酵野菜はこんなにバリエーションがある
発酵野菜と聞いて、どんなものを思い浮かべるでしょうか。とっさには出てこないかもしれませんが、実はとても身近にあるものです。
発酵野菜とは、いわゆる漬物を指します。漬物といっても、豊富なバリエーションがあります。
まずは、日本で昔から受け継がれてきた、ぬか床に漬けた漬物が挙げられます。一見似たように思える奈良漬やべったら漬も、発酵野菜です。ちなみにぬか漬けとの違いは、発酵のさせ方が異なります。
さらに、ザワークラウトやピクルス、キムチ、メンマなども発酵野菜です。例えばザワークラウトは塩に漬け込んで乳酸発酵させることで作られますし、メンマは乳酸菌で発酵させるものです。日本に限らず、世界中で発酵野菜は作られ、親しまれてきました。
野菜を発酵させると生野菜にない魅力が
発酵させた野菜には、もとの状態、つまり生野菜だったときにはない栄養が加わるのが魅力です。
例えば、きゅうりを、生のときとぬか漬けにしたときで比べてみると、ビタミンB群が大きく増えているのです。ビタミンB群の中でも、ビタミンB1は疲労回復につながりますし、ビタミンB2は皮膚や髪などの再生につながっています。皮膚、つまり肌荒れなどへの対策としても、ビタミンB2は大切だということです。
ここではきゅうりを例にしましたが、他の野菜でも同様ですし、キムチもビタミンB2が豊富に含まれています。このように、野菜を漬ける=発酵させることで生野菜の状態にはなかった、健康や美容にもつながる栄養素が加わるのです。
注目される乳酸発酵野菜
発酵野菜の多くは、乳酸菌によって発酵しています。
キムチやザワークラウトもそうですし、ぬか漬けなどもさまざまな乳酸菌を持っています。つまり、発酵野菜は乳酸菌も付いているのです。これら発酵野菜を口にすることで、さまざまな乳酸菌を同時に摂取していることになります。
乳酸菌と言えば、よく言われるのが、腸内をきれいにしてくれるということですね。ですから、発酵野菜を取ることによって、乳酸菌を取る=腸をきれいにするというメリットがあるのです。これらもまた、生野菜であったときにはないメリットです。
乳酸菌の働きによって腸の中で悪玉菌を減らすことができれば、免疫作用の向上も期待できますし、腸の調子の良しあしで、日頃の気分も変わってきます。そうした面から見ても、発酵野菜を取る意味が分かります。ただ、漬物は塩分を多く含むので、取りすぎには注意しつつ、日々の食事にプラスするように考えてみるといいかもしれませんね。
発酵野菜、いろいろレシピ
日本のさまざまな漬物やキムチなど、発酵野菜は、スーパーでもたくさん売っています。
ザワークラウトやピクルスを並べているお店も少なくありません。手軽に入手することができます。でも、これら発酵野菜は、自宅で簡単に作ることもできます。
ぬか漬けは、なんとなく作り方のイメージがあることでしょう。ここでは割愛して、例えば、キャベツを大量に手軽に取れることで人気のあるザワークラウトの場合、キャベツを千切りにして、塩をもみ込むだけでよいのです。もみ込むときは、塩を行き渡らせるためにファスナーがついた保存用の袋などを用いてみると便利かもしれません。
塩をもみ込んでしんなりしてきたら、保存用のビンに詰めるだけ。好みによって、赤唐辛子やハーブを入れてもいいかもしれません。数日から1週間で完成です。
キャベツに限らず、きゅうりやにんじんなど生で食べられる野菜は、塩とともに漬けることで発酵野菜として食べることができます。食材によっては水を加えて保存用のビンに詰めるとよいでしょう。
さまざまなアレンジを加えて、オリジナルの発酵野菜にチャレンジしてみるのもいいかもしれませんね。