日本人の2人に1人が「秋バテ」の可能性
夏日の長さとその後の急激な冷え込みで体調を崩し、3人に1人はおなかの調子も悪化する「秋バテ」が広がっています。
過去50年の9~10月の東京の「夏日(気温が25℃以上の日)」の変遷を見てみると、年を追うごとにその平均日数が増加しており【グラフ1】、9~10月も真夏並の暑さが続いていることが分かります。
9月以降も「夏日」が続いたり、その後、急激に冷え込むことで、2人に1人以上が「体調を崩し」、3人1人以上が「おなかの調子が悪くなる」と回答しています【グラフ2】。このような秋の体調不良を、腸の専門家は「腸の秋バテ」と呼んでいます。
「秋バテ」の症状トップ3は、「疲れやすい」「乾燥する」「ストレスが強い」で、いずれも過半数が症状を訴える。
秋に感じる具体的な体調不良は、「疲れやすい」(66.0%)、「乾燥する」(59.7%)、「ストレスを強く感じる」(58.6%)がトップ3です。 その他、「肌が荒れる、肌の調子が悪い」(57.0%)、「ガスが出る」(56.5%)があげられました【グラフ3】。
Doctor’s VOICE(松生クリニック 松生恒夫先生コメント)
「秋バテ」で体調を崩すことは、「気温差10℃の法則」で腸の働きが悪くなることと一致。
私は、以前から「気温差10℃の法則」ということを提唱してきました。これは、10℃以上の急激な温度差に晒されると、交感神経が興奮して腸の働きを抑えてしまい、おなかの調子が悪くなるというものです。特に、地球温暖化の影響で夏が長引き、翌日、突然寒くなるということがあります。このような日には、当クリニックの患者さんが通常の2倍に増えるというデータもあります。まさに、「秋バテ」で体調を崩すことと一致しているのです。調査で明らかになった「秋バテ」の主な症状である「疲れやすい」、「乾燥する」、「肌が荒れる、肌の調子が悪い」といった状態は、まさに“腸の秋バテ”による影響が大きいとかんがえてよいでしょう。
「秋バテ」の人は、「腸内環境が悪い」「肌に自信がない」と認識。
「夏と変わらない暑さが続いて、体調を崩す」「急激な気温の低下で、体調を崩す」人は、「腸の調子、腸内環境が悪い」「肌に自信がない」と自覚する人が多いです【グラフ4、5】。「秋バテ」は腸や肌に影響すると言えます。
「秋バテ」の症状がある人ほど、発酵食品の不足を実感。
「秋バテ」の症状の3大症状である「疲れやすい」「乾燥する」「ストレスが強い」についてさらに詳しく見ると、いずれも、症状がある人ほど、発酵食品の「摂取頻度」「摂取数」が不足しており、「腸内環境」が悪いと回答します【グラフ6~8】。
松生恒夫(松生クリニック院長 医学博士)
1955年東京都生まれ。医学博士、日本内科学会認定医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医。80年東京慈恵会医科大学を卒業後、83年同大学第三病院内科助手、94年松島病院大腸肛門病センター診療部長などを経て、2004年松生クリニックを開業。便秘外来を設け、地中海式食生活や漢方療法なども診療に取り入れ効果をあげ、全国から患者が訪れるクリニックとしても知られている。“腸のスペシャリスト”として、数多くのテレビ番組に出演するなどメディアでも活躍中。『腸に悪い14の習慣-「これ」をやめれば腸が若返る』(PHP研究所)、『朝の腸内リセットがカラダを変える』(主婦の友社)、『漬物を食べないと腸が病気になります』(廣済堂出版)、など腸に関する著書も多数。
書籍の紹介
漬物を食べないと腸が病気になります 植物性乳酸菌が腸の免疫力を上げる
松生恒夫(著)
定価:本体価格 850円+税
ISBN:9784331520550
判型/頁数新書 204ページ
2016年8月30日発行
※記載内容は、取材対象者及び筆者の個人的な見解であり、特定の商品または発酵食品についての効果効用を保証するものではありません。