酒粕って?
酒粕は、日本酒をつくる際に出る副産物です。
日本酒づくりでは、大きなタンクの中に「米」と「米麹」と「水」を入れて発酵させます。その過程で、麹菌が米に含まれるでんぷんを糖に分解し、酵母がその糖をアルコール発酵させて、白くドロドロのもろみがつくられます。そのもろみを搾った残りかすが酒粕なのです。
美容と健康に期待できる成分がたっぷり
日本酒の搾りかすとはいえ、酒粕は栄養たっぷりの発酵食品。食物繊維やタンパク質、糖質などのほか、発酵によって生み出されたペプチド(アミノ酸が複数むすびついたもの)や、各種アミノ酸、ビタミンなどさまざまな健康成分が含まれています。
中でも「レジスタントプロテイン」というタンパク質の一種は、食物繊維と似た働きを行い、体内のコレステロールの低下に寄与することがわかってきている注目の成分です。余分な脂質を取り込んで体外に排出するため、肥満防止に役立つ効果があると言われています。
その他、酒粕のペプチドには血圧上昇を抑える働きや肝臓保護があるとされます。また、シミの原因となるメラニン色素をつくりにくくするアルブチンなどを含むことから、美肌効果も期待できるとも言われている、うれしい食材なのです。
固まった酒粕を扱いやすくするには?
酒粕には、ねっとりとした酒粕を圧搾した「板粕」、カッテージチーズのようにバラバラになった「ばら粕」、熟成タイプの「練り粕」などがあります。
板粕はスーパーでも販売されていることが多く、比較的手に入りやすいタイプの酒粕です。
酒粕を料理に使うとき、水分に溶けにくくて苦労したことはありませんか? そんなときはちぎった酒粕と同量の水を鍋に入れ、火にかけながらかき混ぜると扱いやすくなります。
あるいは、ちぎった酒粕に少量の水を加えてラップで覆い、電子レンジにかけ、やわらかくなったら混ぜてペースト状にしておくと使いやすくなります。
定番からアレンジまで食べ方いろいろ
粕汁にしたり、魚や肉を漬け込んで焼く定番料理の他にも、いつものカレーやシチューの隠し味として加えるとコクが増して風味がよくなります。
板粕を食べやすい大きさにきって、軽くトースターであぶると香ばしく、お酒のおつまみやクラッカーがわりにも! 好きな具材を載せてカナッペやオープンサンド感覚で楽しむのもおすすめです。
アルコール度数に要注意!
栄養価が高く美容や健康にいいという、優秀な酒粕ですが、アルコール分が8%~10%くらい残っており、食べるときには注意が必要なことも。
小さなお子さんや車の運転をする人、アルコールに弱い人が食べるときには、しっかり火を入れてアルコール分を十分に飛ばしてからいただくようにしましょう。
※記載内容は特定の商品または発酵食品についての効果効能を保証するものではありません。