腸活ってなに?|基礎知識から腸が喜ぶレシピ集まで【腸活完全ガイド】
<目次>
毎日を健康的に過ごすために、必要なことはなんでしょう。
身体のため、健康のために何か取り組もうと考えた時、「腸活」に出会った方も多いのではないでしょうか。
どうして腸活が注目されているの?
腸活にはどんな効果があるの?
そもそも腸活ってなにをすれば良いの?
そんなお悩みを持つ方のために、ここでは腸の基礎知識をはじめ、腸活とは何かをご紹介します。発酵日和おすすめの腸活レシピも合わせてご覧ください。
腸の基礎知識
腸活を知るために、まずは腸のことについて学んでおきましょう。腸がどんな機能を果たしているのかが分かれば、腸活の重要性が分かるはずです。
腸のはたらきはご存知の通り、食べ物を消化・吸収・排泄することです。その際に人体にとって大切な栄養素を取り入れたり、有害物質を排泄したり、有害菌などの侵入を防いだり、仮に侵入された際にはリンパ球が攻撃して戦うこともします。
腸は『第二の脳』とも呼ばれています。腸には約1億個もの神経細胞が存在していて、それは人体においては脳に次ぐ多さ。腸のコントロールは、脳ではなく腸自身が行っています。そして腸は、多くの臓器とコミュニケーションをとりながら連携をとり、体内機能のバランスを維持する役割を担っています。ここで得た情報は脳に送られ、また脳からも様々な情報を得ています。
腸内フローラってなに?〜腸内細菌の種類〜
私たちの腸内には多くの細菌が生息しています。その腸内細菌の種類は1,000種類以上、数は100兆個にも及ぶといいます。腸内細菌は集団を形成して、そのかたまりを腸内フローラと呼んでいます。
腸内細菌は「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3つに分類されます。
善玉菌
人体に良い影響を与える細菌。代謝物が消化・吸収機能に役立つ
悪玉菌
人体に悪影響を及ぼす細菌。便秘や下痢を招いたり、代謝で有害な毒素を作ったりする
日和見菌
善玉・悪玉のうち、数的優位な方に加担する細菌
体の健康には、乳酸菌などの善玉菌が占める割合を増やすことが重要です。
身体に侵入してきたウイルスや細菌と戦う「免疫細胞」。全身の免疫細胞の約6割が腸に集結していると言われています。
免疫力を高めるためには、腸内環境を整える必要があるのです。
実は、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」の生成にも、腸が大きく影響していることが分かってきています。なんとセロトニンの9割が腸(小腸内の粘膜)で生成されているとか。精神の安定にも腸内環境が大きく影響する、ということですね。
あなたの腸の状態は大丈夫?腸が発信するSOS
身体の不調は、腸から出るSOSで気付くことができるかもしれません。
下記項目に該当がないかチェックしてみましょう。長く続くようであれば、病院で診察を。
【下痢・便秘】
原因:病原菌への感染、食生活や生活習慣の乱れ、ストレスなど
【おならの増加】
原因:腸内の悪玉菌の増加、便秘、大腸がんなどの病気
【お腹の張り】
原因:腸内の悪玉菌の増加、便秘など
【腹痛】
原因:便秘や下痢など
【お腹がゴロゴロする】
原因:腸の動きが激しい時。過敏性腸症候群など
【体重の急な増減】
原因:腸内フローラのバランスが崩れ、腸の機能が正常ではないために起こる場合もある
【肌ツヤの低下】
原因:腸内フローラのバランスが崩れ、悪玉菌による影響が出ているために起こる場合もある
【ゲップ・胸やけ】
原因:ガスの過剰発生、胃液などが食道へ逆流することで起こる
腸活をはじめよう!
腸が私たちの身体にとって重要な器官だということがお分かりいただけたと思います。
それでは腸を健康にするための「腸活」をはじめましょう!
腸活とは、腸内環境(腸内フローラ)を整えることを指します。
腸内フローラは、体調や食事、加齢、ストレスなど、様々な要因から日々変化していて、バランスが崩れやすいのです。
その中でも腸内環境に大きく影響を与える「食事」からはじめるのがおすすめです。
食生活と腸の関係について考えてみましょう。
腸に入った食べ物は、腸内細菌のエサになり、発酵・分解されます。
その際、規則正しいバランスのとれた食事をしていれば、善玉菌がビタミンB群や乳酸、酪酸などの身体に良い物質を作り出します。
一方、高脂質や高カロリーの偏った食事をしていた場合は、悪玉菌が活発に活動し、アンモニアやアミン、二次胆汁酸などの有害物質が生成されてしまうのです。
腸内細菌は、私たちが食べたものをエサとして生きる細菌です。良いパートナーにするために、バランスのとれた良い食事を心がけるようにしましょう。
腸活がうまくいっているかを見極めるには、便を観察するとよいでしょう。色は黄色から黄色がかった褐色で、においはあっても臭くはなく、形状はバナナ型が理想です。
健康な腸に必要な食品は?
健康な腸の条件は、腸内細菌のバリエーションが多いことが挙げられます。
腸内細菌の種類が多いと、バリア機能が高まり、細菌やウイルスに対しての免疫力も上がります。一方、似たような種類の腸内細菌ばかりの腸内フローラはディスバイオシスと呼ばれ、バリア機能が衰えて免疫力も下がってしまうのです。
健康な腸に必要な食品、腸の強い味方となる食品を積極的に摂るようにしましょう。
腸活におすすめの食品
① ヨーグルト、味噌、納豆、漬物、チーズ、ワイン などの「発酵食品」
発酵食品の中には、腸内環境の改善に欠かせない「善玉菌」や、善玉菌のエサとなる成分を含んでいることにより、腸内を弱酸性化させ、悪玉菌の増殖を防いだり、善玉菌を刺激し、腸を活性化させる効果が期待できるものがあります。
※ 発酵日和では、発酵食品を使った腸活レシピを多数ご紹介しています。抜粋した人気レシピはこちら!
腸がよろこぶ腸活レシピ集
② 海藻、ごぼう、キウイ、そば などの「食物繊維」を含む食品
「水溶性食物繊維」には、腸内環境を整えるはたらきがあります。また、善玉菌が水溶性食物繊維を分解する際に作り出す「短鎖脂肪酸」により、脂肪燃焼効果も期待できます。(※1)
③ たまねぎ、バナナ、はちみつ などの「オリゴ糖」を含む食品
「オリゴ糖」は乳酸菌のエサとなって、善玉菌を増やす効果があります。オリゴ糖は悪玉菌のエサにはならないので、効率よく腸内の善玉菌を増やすことができます。(※2)
④ 青魚、鮭、亜麻仁(あまに)油 などの「オメガ3系脂肪酸/EPA・DHA・ALA 」を含む食品
主に青魚に多く含まれる「EPA」や「DHA」には、腸内の炎症を鎮めたり、善玉菌が増えやすい腸内環境にするはたらきがあります。
また、亜麻仁油に多く含まれる「ALA(α-リノレン酸)」により、胃腸の働きが活発になり便通効果が期待できます。(※3)
善玉菌へのアプローチに良い食品を使って、食生活を改善してみてはいかがでしょうか。
(※1)江田証著 『新しい腸の教科書 健康なカラダは、すべて腸から始まる』(池田書店)P.87
(※2)厚生労働省e-ヘルスネット 腸内細菌と健康(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html)
(※3)江田証著 『新しい腸の教科書 健康なカラダは、すべて腸から始まる』(池田書店)P.89
腸がよろこぶ腸活レシピ集
発酵食品のチーズと、食物繊維たっぷりのきのこが相性抜群!
発酵食品であるチーズと、食物繊維を豊富に含み、高タンパク・低カロリーのきのこ類(しめじ・生しいたけ・エリンギ)で作ったお手軽レシピ。トマトソースに使う玉ねぎにはオリゴ糖やポリフェノールも含まれていて、腸活にはもってこいのレシピです。
紫キャベツでカラフル!あると便利な腸活用保存食
ドイツの漬物・ザワークラウトからヒントを得て作った腸活レシピです。白ワインビネガーでフルーティな香りと爽やかな酸味が楽しめます。簡単に作れて2週間くらいの保存ができるので、一品足しにもおすすめです。
日本が誇る発酵食品「納豆」を使ったおすすめレシピ
日本の発酵食品といえば納豆。熱や胃酸にも強い納豆菌は、腸まで生きて届き、腸の善玉菌を増やす働きをしてくれます。食物繊維も豊富なので、腸内環境を整えるためには最適な食品とされています。そんな納豆を、しそと合わせて食べやすくしました。
もはやレシピ不要!?シンプル発酵の産物「ヨーグルト」
ヨーグルトは腸活食品の代名詞と言っても過言ではないでしょう。手軽に 食べられる発酵食品であるヨーグルトは、忙しい方でも毎日の食生活に取り入れることが簡単です。オリゴ糖との相乗効果で効率よく善玉菌を増やすことができるので、バナナやはちみつと一緒に食べるのがおすすめです。
生活習慣を見直して、腸内環境を守ろう
腸活は食事だけではなく、正しい生活習慣を身につけることも大切です。乱れた生活習慣を見直してみましょう。腸にとって重要なのは、正しく働かせてあげること。特に空腹時間を作ることが重要とされています。夜は早めに食事を済ませるように心がけましょう。
浅い睡眠は自律神経が乱れてしまい、腸の働きが悪くなると言われています。ベストな睡眠時間は人それぞれですが、リズムが大事です。毎日同じ時間に眠るように生活リズムを整えましょう。
寝付きの悪い方は、眠りを誘発するメラトニンをつくるために、朝日を浴びるのが効果的です。
強いストレスがかかると、ストレスホルモンが過剰分泌され、腸の動きが悪くなってしまいます。ストレス過多になった腸を癒すために、自然界の動きのあるもの、「ゆらぎ」を体験しましょう。日光を浴びたり、外に出て風を感じたり、緑茶の匂いを嗅ぐだけでも効果があります。
日本人のがん死亡率第一位の大腸がん。その大きな要因は「運動不足」であると言われています。運動不足により、腸管の働きが悪くなることでリスクが高まってしまうのだそうです。
一日15分程度、便秘気味の方はスクワットやジョギング、下痢気味の方はウォーキングや体操などの運動を行ってみてはいかがでしょうか。
まとめ
健康のことを考えるなら、まずは「腸」から。簡単にはじめられる食生活から、腸活をはじめてみてはいかがでしょうか。
- 参考文献
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- 厚生労働省e-ヘルスネット 腸内細菌と健康
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html - 江田証著 『新しい腸の教科書 健康なカラダは、すべて腸から始まる』(池田書店)
- 厚生労働省e-ヘルスネット 腸内細菌と健康